12月11日(日)
会場:紀尾井(静岡市葵区宮ヶ崎)
時間:開店18時、開演19時
料金:1000円+料理・ドリンク(各自注文)
演目:
『大連女
医院 ※紀尾井初演』(芳澤純弥)
『探偵稼業 小林ヤバコ篇 人間発電所の巻 ※新作ネタ下ろし』(土門土門エ門・内村玉斎)
2011年12月11日日曜日
2011年12月3日土曜日
水銀座「断片」演劇上演
12月3日(土)
「土門エ門まつり」
会場:みろくさんぶ(静岡市葵区弥勒)
時間:開演20時
料金:1000円+料理・ドリンク(各自オーダー)
演目:
『大連医院』
『大連女医院』
『コンビニ店長の憂鬱』他
※『コンビニ店長』は、23時からの追加上演があります。
2011年12月1日木曜日
水銀座-「断片」演劇上演
12月3日(土) 水銀座-「断片」演劇上演
@みろくさんぶ
開演20時
木戸銭:1000円 +ドリンク・料理(各自)
予定演目:
1 大連医院(土門土門エ門)
2 ※予定 大連女医院(芳澤純弥)
3 デッドロード コンビニ店長の憂鬱(土門土門エ門)
@みろくさんぶ
開演20時
木戸銭:1000円 +ドリンク・料理(各自)
予定演目:
1 大連医院(土門土門エ門)
2 ※予定 大連女医院(芳澤純弥)
3 デッドロード コンビニ店長の憂鬱(土門土門エ門)
2011年11月20日日曜日
水銀座@一言座(藤枝)
ラジオの声優仲間が結成した「劇団両面テープ」旗揚げ公演に、ご祝儀上演します。
11月20日(日)
会場:一言座(ひとことカフェ・藤枝市茶町)
時間:開場17時
料金:1600円
会場入り口の「水銀座受付」をご利用ください。
演目:
『白磁の茶碗』AYAME-鈴木大治
『大連医院』土門土門エ門
『光る風』鷹匠訓子
『探偵稼業』AYAME-鈴木大治+土門土門エ門
2011年11月13日日曜日
2011年10月30日日曜日
2011年10月16日日曜日
水銀座「断片」演劇上演
10月16日(日)
会場:紀尾井(静岡市葵区宮ヶ崎)
時間:開店18時、開演19時
料金:1000円+料理・ドリンク(各自オーダー)
演目:
『白磁の茶碗』AYAME-鈴木大治
『小林ヤバコ探偵社』土門土門エ門+内村玉斎
『看護婦の手紙その2』鷹匠訓子
会場:紀尾井(静岡市葵区宮ヶ崎)
時間:開店18時、開演19時
料金:1000円+料理・ドリンク(各自オーダー)
演目:
『白磁の茶碗』AYAME-鈴木大治
『小林ヤバコ探偵社』土門土門エ門+内村玉斎
『看護婦の手紙その2』鷹匠訓子
2011年10月1日土曜日
水銀座「断片」演劇上演
※「土門エ門まつり」です。
10月1日(土)
会場:みろくさんぶ(静岡市葵区弥勒)
時間:開演20時
料金:1000円+料理・ドリンク(各自オー ダー)
演目:
『白磁の茶碗』AYAME-鈴木大治
『小林少年』土門土門エ門
『居酒屋探偵紀尾井ヒロシ(新ネタ)』AYAME-鈴木大治+土門土門エ門
『大連医院』土門土門エ門
10月1日(土)
会場:みろくさんぶ(静岡市葵区弥勒)
時間:開演20時
料金:1000円+料理・ドリンク(各自オー ダー)
演目:
『白磁の茶碗』AYAME-鈴木大治
『小林少年』土門土門エ門
『居酒屋探偵紀尾井ヒロシ(新ネタ)』AYAME-鈴木大治+土門土門エ門
『大連医院』土門土門エ門
2011年9月11日日曜日
2011年9月8日木曜日
2011年8月29日月曜日
水銀座+「日本暗黒演劇音楽史」
水銀座+「日本暗黒演劇音楽史」
8月29日(月)
会場:ボタニカ
時間:開演19時半
料金:1500円
「日本暗黒演劇音楽史」
フリンジカルチャー研究家宇田川岳夫氏によるDJ講義。J・A・シーザー(天井桟敷)、曲馬舘、状況劇場、風の旅団、黒テント、アングラ演劇の黒歴史に埋もれた劇伴音楽・主題歌など幻の名曲が蘇る。秘蔵音源紹介と解説。
水銀座「断片」演劇上演
『累ノ怪(蝋燭の灯りだけで演じる怪異譚。霊感や知覚が過敏な方には観劇をお薦めできません)』AYAME-鈴木大治
『404号室(新作)』鷹匠訓子+芳澤純弥
終演予定22時半。
8月29日(月)
会場:ボタニカ
時間:開演19時半
料金:1500円
「日本暗黒演劇音楽史」
フリンジカルチャー研究家宇田川岳夫氏によるDJ講義。J・A・シーザー(天井桟敷)、曲馬舘、状況劇場、風の旅団、黒テント、アングラ演劇の黒歴史に埋もれた劇伴音楽・主題歌など幻の名曲が蘇る。秘蔵音源紹介と解説。
水銀座「断片」演劇上演
『累ノ怪(蝋燭の灯りだけで演じる怪異譚。霊感や知覚が過敏な方には観劇をお薦めできません)』AYAME-鈴木大治
『404号室(新作)』鷹匠訓子+芳澤純弥
終演予定22時半。
2011年8月14日日曜日
アナーキー・イン・ザ・紀尾井
水銀座月例公演
8月14日(日)
会場:紀尾井(静岡市葵区宮ヶ崎)
時間:開店18時、開演19時
料金:1000円+料理・ドリンク(各自オーダー)
演目:
『土門エ門の雨宿り』土門土門エ門
『白磁の茶碗』AYAME-鈴木大治
20時終演。今日はハードコアな怪談ではありません、ご高齢の方にもお楽しみいただける演目です。
8月14日(日)
会場:紀尾井(静岡市葵区宮ヶ崎)
時間:開店18時、開演19時
料金:1000円+料理・ドリンク(各自オーダー)
演目:
『土門エ門の雨宿り』土門土門エ門
『白磁の茶碗』AYAME-鈴木大治
20時終演。今日はハードコアな怪談ではありません、ご高齢の方にもお楽しみいただける演目です。
2011年8月13日土曜日
2011年8月12日金曜日
2011年7月24日日曜日
水銀座-「断片」演劇上演
水銀座月例公演@ボタニカ
7月24日(日)
会場:ボタニカ
時間:マチネ14時、ソワレ19時半
料金:1500円(昼夜通しでご覧になることも出来ます)
ライ ブ:キキミミズ(比類なき音楽世界を追及してきた静岡インディーズ・シーンの雄)
演劇:水銀座(AYAME、内村玉斎、東郷、芳澤純弥)
7月24日(日)
会場:ボタニカ
時間:マチネ14時、ソワレ19時半
料金:1500円(昼夜通しでご覧になることも出来ます)
ライ ブ:キキミミズ(比類なき音楽世界を追及してきた静岡インディーズ・シーンの雄)
演劇:水銀座(AYAME、内村玉斎、東郷、芳澤純弥)
2011年7月10日日曜日
アナーキー・イン・ザ・紀尾井
水銀座月例公演
7月10日(日)
会場:紀尾井(静岡市葵区宮ヶ崎)
時間:開店18時、開演19時
料金:1000円+料理・ドリンク(各自オーダー)
演目:
『ちいさなをじさんミニ』(AyameX、芳澤純弥)
『抜魂箱』(AyameX、内村玉斎)
各20分弱、20時には終演です。
演出:鷹匠訓子、作:AYAME-鈴木大治
7月10日(日)
会場:紀尾井(静岡市葵区宮ヶ崎)
時間:開店18時、開演19時
料金:1000円+料理・ドリンク(各自オーダー)
演目:
『ちいさなをじさんミニ』(AyameX、芳澤純弥)
『抜魂箱』(AyameX、内村玉斎)
各20分弱、20時には終演です。
演出:鷹匠訓子、作:AYAME-鈴木大治
2011年7月2日土曜日
「どもえもんまつり」
「どもえもんまつり」
7月2日(土) 水銀座-「断片」演劇上演
会場:みろくさんぶ(静岡市葵区弥勒)
時間:開場19時半、開演20時
料金:1000円
演目:
『ギルダの店・北山谷編-「銀の牙」断片』(芳澤純弥、東郷)
『小林少年-「銀の牙」断片』(土門土門エ門)
『ちいさなをじさんミニ』(AyameX、芳澤純弥)
『大連医院-「銀の牙」断片』(土門土門エ門)
『あまやどり-土門土門エ門大江戸無法剣』(土門土門エ門)
『ちいさなをじさん』(AyameX、芳澤純弥、土門土門エ門)
演出:鷹匠訓子、作:AYAME-鈴木大治
7月2日(土) 水銀座-「断片」演劇上演
会場:みろくさんぶ(静岡市葵区弥勒)
時間:開場19時半、開演20時
料金:1000円
演目:
『ギルダの店・北山谷編-「銀の牙」断片』(芳澤純弥、東郷)
『小林少年-「銀の牙」断片』(土門土門エ門)
『ちいさなをじさんミニ』(AyameX、芳澤純弥)
『大連医院-「銀の牙」断片』(土門土門エ門)
『あまやどり-土門土門エ門大江戸無法剣』(土門土門エ門)
『ちいさなをじさん』(AyameX、芳澤純弥、土門土門エ門)
演出:鷹匠訓子、作:AYAME-鈴木大治
2011年6月26日日曜日
水銀座-「断片」演劇上演
6月26日(日) 水銀座-「断片」演劇上演
@ボタニカ
料金:1500円
昼公演マチネ14時~
1-ライブ:「庭」
2-『町蔵登場』東郷
3-『上海・ギルダの店 その1』芳澤純弥+内村玉斎
4-『大連医院』土門土門エ門
5-『上海・ギルダの店 その2』芳澤純弥+東郷
夜公演ソワレ19時半~
1-ライブ:「庭」
2-『大連医院』土門土門エ門
3-『抜魂箱』内村玉斎+AYAME
4-『十三夜坂』芳澤純弥
@ボタニカ
料金:1500円
昼公演マチネ14時~
1-ライブ:「庭」
2-『町蔵登場』東郷
3-『上海・ギルダの店 その1』芳澤純弥+内村玉斎
4-『大連医院』土門土門エ門
5-『上海・ギルダの店 その2』芳澤純弥+東郷
夜公演ソワレ19時半~
1-ライブ:「庭」
2-『大連医院』土門土門エ門
3-『抜魂箱』内村玉斎+AYAME
4-『十三夜坂』芳澤純弥
2011年6月24日金曜日
2011年6月12日日曜日
アナーキー・イン・ザ・紀尾井
水銀座-「断片」演劇上演
6月12日(日)
会場:紀尾井(静岡市葵区宮ヶ崎)
時間:開店18 時、開演19時
料金:1000円+料理・ドリンク(各自オーダー)
『十三夜坂 ※初演』(芳澤純弥)
『累ノ怪』(AYAME-鈴木大治)
『累ノ怪』は蝋燭一本だけの照明による上演。
6月12日(日)
会場:紀尾井(静岡市葵区宮ヶ崎)
時間:開店18 時、開演19時
料金:1000円+料理・ドリンク(各自オーダー)
『十三夜坂 ※初演』(芳澤純弥)
『累ノ怪』(AYAME-鈴木大治)
『累ノ怪』は蝋燭一本だけの照明による上演。
2011年5月28日土曜日
水銀座 「断片」演劇公演@ボタニカ
水銀座 月例公演
5月28日(土)
@ボタニカ
1-少年探偵小林 「銀の牙」断片
演者:土門土門エ門
2-雨宿り
演者:AYAME鈴木大治
3-大連医院 「銀の牙」断片
演者:土門土門エ門
お中入り(休憩)
4-あまやどり
演者:土門土門エ門
5-ちいさなおじさん
演者:AYAME鈴木大治+芳澤純弥+土門土門エ門
5月28日(土)
@ボタニカ
1-少年探偵小林 「銀の牙」断片
演者:土門土門エ門
2-雨宿り
演者:AYAME鈴木大治
3-大連医院 「銀の牙」断片
演者:土門土門エ門
お中入り(休憩)
4-あまやどり
演者:土門土門エ門
5-ちいさなおじさん
演者:AYAME鈴木大治+芳澤純弥+土門土門エ門
2011年5月21日土曜日
水銀座@遠藤加奈個展「かわるもの かわらないもの」
5月21日
水銀座「断片」演劇@遠藤加奈個展「かわるもの かわらないもの」
会場:ギャラリーとりこ http://eshizuoka.jp
時間:昼の部13時、夜の部19時、2回上演、
演者:Ayame-鈴木大治+鷹匠訓子
無料
2011年5月15日日曜日
2011年5月14日土曜日
2011年5月8日日曜日
水銀座-アナーキー・イン・ザ・紀尾井
5月8日(日)
アナーキー・イン・ザ・紀尾井
会場 紀尾井(静岡市葵区馬場町)
料金 1000円+料理・飲み物各自オーダー
開演 時間未定
『青頭巾』芳澤純弥
『累ノ怪』Ayame-鈴木大治
「演劇の上演は蝋燭一本だけの灯りでも出来る」と弁じた演劇人の言葉を真に受け、『累ノ怪』は蝋燭一本のみの灯りで演じます。
アナーキー・イン・ザ・紀尾井
会場 紀尾井(静岡市葵区馬場町)
料金 1000円+料理・飲み物各自オーダー
開演 時間未定
『青頭巾』芳澤純弥
『累ノ怪』Ayame-鈴木大治
「演劇の上演は蝋燭一本だけの灯りでも出来る」と弁じた演劇人の言葉を真に受け、『累ノ怪』は蝋燭一本のみの灯りで演じます。
2011年4月23日土曜日
水銀座 「断片」演劇公演@ボタニカ
水銀座 「断片」演劇上演
4月23日(土)
@ボタニカ
料金:1500円
第1部-ライブ(19時半~)
KONORI sp. アンプラグド
第2部-演劇(20時~)
1-『「銀の牙」断片 大連医院』土門土門エ門
2-『「銀の牙」断片 上海ギルダの店』内村玉斎+芳澤純弥
3-『雨宿り』AYAME鈴木大治
第3部-ゲスト(21時~)
谷本進さんソロパフォーマンス
4月23日(土)
@ボタニカ
料金:1500円
第1部-ライブ(19時半~)
KONORI sp. アンプラグド
第2部-演劇(20時~)
1-『「銀の牙」断片 大連医院』土門土門エ門
2-『「銀の牙」断片 上海ギルダの店』内村玉斎+芳澤純弥
3-『雨宿り』AYAME鈴木大治
第3部-ゲスト(21時~)
谷本進さんソロパフォーマンス
2011年4月22日金曜日
水銀座 「断片」演劇公演 4月23日
明日、月例の水銀座「断片」演劇公演をボタニカで行います。
先月はミュージシャンの会津里花さんにゲスト出演していただきました。
今回は静岡市出身の俳優「谷本進」さんをお招きしています。
http://profile.ameba.jp/susumunoheya/
http://www.neverlose.jp
4月23日(土) 水銀座 「断片」演劇公演
会場 ボタニカ(静岡市葵区研屋町)
料金 1500円
開場 19時
開演 19時半
第1部・ライブ
KONORIsp.アンプラグド
(マイクやアンプを使用しない完全アンプラグド演奏です)
第2部・演劇
『「銀の牙」断片 上海 ギルダの店』(ボタニカ初演)内村玉斎+芳澤純弥
『雨宿り』Ayame-鈴木大治
谷本進ソロパフォーマンス(from東京)
先月はミュージシャンの会津里花さんにゲスト出演していただきました。
今回は静岡市出身の俳優「谷本進」さんをお招きしています。
http://profile.ameba.jp/susumunoheya/
http://www.neverlose.jp
4月23日(土) 水銀座 「断片」演劇公演
会場 ボタニカ(静岡市葵区研屋町)
料金 1500円
開場 19時
開演 19時半
第1部・ライブ
KONORIsp.アンプラグド
(マイクやアンプを使用しない完全アンプラグド演奏です)
第2部・演劇
『「銀の牙」断片 上海 ギルダの店』(ボタニカ初演)内村玉斎+芳澤純弥
『雨宿り』Ayame-鈴木大治
谷本進ソロパフォーマンス(from東京)
2011年4月15日金曜日
水銀座 「断片」演劇公演 4月15日
水銀座「断片」演劇@RedRock
会場 RedRock(静岡市葵区人宿町)
料金 1000円+ドリンク各自オーダー
開場 19時
開演 19時半
『「銀の牙」断片 上海 ギルダの店』内村玉斎+芳澤純弥
『累ノ怪』Ayame-鈴木大治
『「銀の牙」断片 大連医院』土門土門エ門
会場 RedRock(静岡市葵区人宿町)
料金 1000円+ドリンク各自オーダー
開場 19時
開演 19時半
『「銀の牙」断片 上海 ギルダの店』内村玉斎+芳澤純弥
『累ノ怪』Ayame-鈴木大治
『「銀の牙」断片 大連医院』土門土門エ門
2011年3月21日月曜日
旧聞雑輯 戸川純
■戸川純はハンカチを手に嗚咽していた。妹の戸川京子が唐突に自殺したのだった。そのインタビューを朝のワイドショーで見て、ぼくはとても切なくなった。激しく泣きじゃくってはいたけれども、戸川純はいつもの「戸川純を演じる虚実の朦朧とした戸川純」だった。それが切なかった。
■ニューウェーブの玉姫様が、新人類のアイドルと呼ばれて浮かれ騒いだのは、八十年代の狂乱景気の真っ最中だった。エキセントリックな馬鹿少女たちは総出で戸川純風を気取った。馬鹿が祭り上げるものだから、ますます遠目に眺めるようになった。
■ぼくたちのバンドの音楽には「戸川純みたい」という言辞がつきまとって閉口した。そう言う奴にかぎって戸川純にはなんの関心もない輩だったりする。その違いを判らせようとするのは徒労でしかなく、「こいつらダメだな」を口に出さずに愛想良く相手の批評を聞き流した。
■バブルが崩壊した頃だったと思うが、戸川純は自殺未遂事件を起こした。原因は知らぬ。なにかあてつけのような、狂言自殺だったような気もする。その後しばらく、戸川純は芸能の表舞台からは遠ざかっていた。もっとも単にぼくの視野に情報が入ってこなかっただけの事かもしれないが。
■一九九八年、静岡の百人劇場で、戸川純の一人芝居『マリヴォロン』の公演が行われた。この公演のことをどうして知ったのか、ぼくは憶えていない。観に行こうか行くまいか、ぼくは公演日の直前まで迷った。チラシを手にしてチケットを買いに行った時、ぼくはとてもいじわるな、甚だ陰湿な心持ちだった。ぼくはただ、かつてのカリスマ=戸川純の落ちぶれようを確認するつもりだったのだ。
■『マリヴォロン』の作・演出は北村想だった。北村想は八十年代の小劇場ブームを代表する演劇人である。『寿歌』で岸田戯曲賞を受賞。一時期はどの学生劇団の公演も皆そろって『寿歌』という状態があった。名古屋を拠点に活動していた北村想は、その勢いに乗って東京へと進出したが、どういう事情があったのか、唐突に東京離脱宣言をし、地方に引きこもってしまった。つまり北村想も戸川純と同様、栄光の八十年代の後に、ぱっとしない、さえない九十年代をおくっていたのである。
■その前年の秋、ぼくは北村想の新作、『新・十一人の少年』を観た。ぼくが舞台に感じたのは、行く末の見えぬ袋小路感、創造性の閉塞感だった。作者(北村想)は「物語」を成立させることが出来なかった。ナラティヴな台本が書けなかったのだ。
■物語を成立させるのが困難な時代である、とは当時よく使われた物言いである。だが――物語が無惨に消費され食い潰されようと、見えざる物語、発見されなかった物語は厳然としてある――、そう信じていたぼくには、北村想のケリをつけられぬ幕切れは、言うなれば敗北宣言に思えた。
■実際のところはどうだったのだろう。ぼくは何を求めて『マリヴォロン』を観に出かけたのか。本当に、彼らの落ちぶれようを見たかったのか。たしかな事は、ぼくは彼らに、その演劇の内容に全くなんの「期待」もしていなかったということだ。
■戸川純は、宮澤賢治の童話を一人芝居にして巡業をする芝居者を演じた。彼女は舞台で使う道具類の一切合切をワゴンに積んで、ドサ回りを続けている。劇場で公演を行うのではなく、町の公民館や集会所で、近在の住民を相手に芝居をみせる。台本は死んだ父親が残したという設定である。一種のメタ演劇で、戸川純が「戸川純」を演じているような錯覚を生じさせ、『飢餓陣営』『クラムボン』など宮澤賢治の世界が脱力系の演技によって展開していく。「相変わらず宮澤賢治か」と、ぼくは冷ややかに観ていた。ぼくらはいまだに北村想の賢治熱につき合わされるのか。
■だが『マリヴロンと少女』を引用したフラグメントでぼくの感想は一変した。戸川純は、脱力系少女声と、戸川が得意とするもうひとつの声色、艶のあるファムファタール系ボイスで、少女ギルダと歌姫マリヴロン(マリヴォロン)を演じわけた。ぼくは身をのりだしていた。
マリヴォロン「ええ、それをわたくしはのぞみます。けれどもそれはあなたはいよいよそうでしょう。正しく清くはたらくひとはひとつの大きな芸術を時間のうしろにつくるのです。ごらんなさい。向うの青いそらのなかを一羽の鵠がとんで行きます。鳥はうしろにみなそのあとをもつのです。みんなはそれを見ないでしょうが、わたくしはそれを見るのです。おんなじようにわたくしどもはみなそのあとにひとつの世界をつくって来ます。それがあらゆる人々のいちばん高い芸術です」
ギルダ「けれども、あなたは、高く光のそらにかかります。すべて草や花や鳥は、みなあなたをほめて歌います。わたくしはたれにも知られず巨きな森のなかで朽ちてしまうのです」
マリヴォロン「それはあなたも同じです。すべて私に来て、私をかがやかすものは、あなたをもきらめかします。私に与えられたすべてのほめことばは、そのままあなたに贈られます」
ギルダ「私を教えて下さい。私を連れて行ってつかって下さい。私はどんなことでもいたします」
マリヴォロン「いいえ私はどこへも行きません。いつでもあなたが考えるそこにおります。すべてまことのひかりのなかに、いっしょにすんでいっしょにすすむ人々は、いつでもいっしょにいるのです。けれども、わたくしは、もう帰らなければなりません。お日様があまり遠くなりました。もずが飛び立ちます。では。ごきげんよう」
■このやりとりは宮澤賢治の原作どうり。そして原作にはない言葉をマリヴォロン=戸川純は口にする。
――芸術家とは、明日世界が滅ぶことが判っていても、夕にトマトの種を播く者のことです。――
■それはぼくの肺腑の琴線を非常な力で衝いた。決して声高に叫んだわけではなかったが、その言葉はぼくの胸を熱くした。二十世紀のどん詰まり、ぼくは「ですぺら」のまっただ中で「どうすればいいのか」と立ち止まっていた。ぼくは「合図」を待っていて、まさにマリヴォロンの台詞はスタートを告げる砲声の瞬間だった。立ち止まるのは絶望を知らぬからだ。絶望を友とし倦まず砂漠を歩み続ける者こそが、ツァラトストラの末裔たりうる。その時、マリヴォロンは戸川純であり、ぼくであり、「いっしょにすんでいっしょにすすむ人々」だった。演劇だけがなしうる秘蹟が起きたのだ。
■もちろん演劇を観るというのはとても個人的なことだから、誰もがぼくと同様な感慨を持つとは限らない。けれども戸川純がいた八十年代を真剣に生きた者は、戸川純が絶望の荒野(あらの)へ一歩を踏み出したことを理解したはずだし、二十一世紀の絶望を生きる準備をしている者は、マリヴォロンの言葉に共鳴したはずだ。
■そこには希望などない、行き着く先は楽園などではない、転げ落ちることを知っていながら丘の上に岩を押し上げるシジフォスのように、無為であると知りながら決して行為することをやめぬ人々。思えば無名のまま死んでいった宮澤賢治も、そのような「立ち止まらぬ者」であった。
■期待はしない、だが断固として支援する。カーテンコールに答える戸川純に、力いっぱい拍手を送りながら、ぼくは思った。
■ワイドショーのインタビューで嗚咽する戸川純。これが、これも彼女の「約束の地」なのか。再び「ですぺら」、「どうすればいいのか」?
■ニューウェーブの玉姫様が、新人類のアイドルと呼ばれて浮かれ騒いだのは、八十年代の狂乱景気の真っ最中だった。エキセントリックな馬鹿少女たちは総出で戸川純風を気取った。馬鹿が祭り上げるものだから、ますます遠目に眺めるようになった。
■ぼくたちのバンドの音楽には「戸川純みたい」という言辞がつきまとって閉口した。そう言う奴にかぎって戸川純にはなんの関心もない輩だったりする。その違いを判らせようとするのは徒労でしかなく、「こいつらダメだな」を口に出さずに愛想良く相手の批評を聞き流した。
■バブルが崩壊した頃だったと思うが、戸川純は自殺未遂事件を起こした。原因は知らぬ。なにかあてつけのような、狂言自殺だったような気もする。その後しばらく、戸川純は芸能の表舞台からは遠ざかっていた。もっとも単にぼくの視野に情報が入ってこなかっただけの事かもしれないが。
■一九九八年、静岡の百人劇場で、戸川純の一人芝居『マリヴォロン』の公演が行われた。この公演のことをどうして知ったのか、ぼくは憶えていない。観に行こうか行くまいか、ぼくは公演日の直前まで迷った。チラシを手にしてチケットを買いに行った時、ぼくはとてもいじわるな、甚だ陰湿な心持ちだった。ぼくはただ、かつてのカリスマ=戸川純の落ちぶれようを確認するつもりだったのだ。
■『マリヴォロン』の作・演出は北村想だった。北村想は八十年代の小劇場ブームを代表する演劇人である。『寿歌』で岸田戯曲賞を受賞。一時期はどの学生劇団の公演も皆そろって『寿歌』という状態があった。名古屋を拠点に活動していた北村想は、その勢いに乗って東京へと進出したが、どういう事情があったのか、唐突に東京離脱宣言をし、地方に引きこもってしまった。つまり北村想も戸川純と同様、栄光の八十年代の後に、ぱっとしない、さえない九十年代をおくっていたのである。
■その前年の秋、ぼくは北村想の新作、『新・十一人の少年』を観た。ぼくが舞台に感じたのは、行く末の見えぬ袋小路感、創造性の閉塞感だった。作者(北村想)は「物語」を成立させることが出来なかった。ナラティヴな台本が書けなかったのだ。
■物語を成立させるのが困難な時代である、とは当時よく使われた物言いである。だが――物語が無惨に消費され食い潰されようと、見えざる物語、発見されなかった物語は厳然としてある――、そう信じていたぼくには、北村想のケリをつけられぬ幕切れは、言うなれば敗北宣言に思えた。
■実際のところはどうだったのだろう。ぼくは何を求めて『マリヴォロン』を観に出かけたのか。本当に、彼らの落ちぶれようを見たかったのか。たしかな事は、ぼくは彼らに、その演劇の内容に全くなんの「期待」もしていなかったということだ。
■戸川純は、宮澤賢治の童話を一人芝居にして巡業をする芝居者を演じた。彼女は舞台で使う道具類の一切合切をワゴンに積んで、ドサ回りを続けている。劇場で公演を行うのではなく、町の公民館や集会所で、近在の住民を相手に芝居をみせる。台本は死んだ父親が残したという設定である。一種のメタ演劇で、戸川純が「戸川純」を演じているような錯覚を生じさせ、『飢餓陣営』『クラムボン』など宮澤賢治の世界が脱力系の演技によって展開していく。「相変わらず宮澤賢治か」と、ぼくは冷ややかに観ていた。ぼくらはいまだに北村想の賢治熱につき合わされるのか。
■だが『マリヴロンと少女』を引用したフラグメントでぼくの感想は一変した。戸川純は、脱力系少女声と、戸川が得意とするもうひとつの声色、艶のあるファムファタール系ボイスで、少女ギルダと歌姫マリヴロン(マリヴォロン)を演じわけた。ぼくは身をのりだしていた。
マリヴォロン「ええ、それをわたくしはのぞみます。けれどもそれはあなたはいよいよそうでしょう。正しく清くはたらくひとはひとつの大きな芸術を時間のうしろにつくるのです。ごらんなさい。向うの青いそらのなかを一羽の鵠がとんで行きます。鳥はうしろにみなそのあとをもつのです。みんなはそれを見ないでしょうが、わたくしはそれを見るのです。おんなじようにわたくしどもはみなそのあとにひとつの世界をつくって来ます。それがあらゆる人々のいちばん高い芸術です」
ギルダ「けれども、あなたは、高く光のそらにかかります。すべて草や花や鳥は、みなあなたをほめて歌います。わたくしはたれにも知られず巨きな森のなかで朽ちてしまうのです」
マリヴォロン「それはあなたも同じです。すべて私に来て、私をかがやかすものは、あなたをもきらめかします。私に与えられたすべてのほめことばは、そのままあなたに贈られます」
ギルダ「私を教えて下さい。私を連れて行ってつかって下さい。私はどんなことでもいたします」
マリヴォロン「いいえ私はどこへも行きません。いつでもあなたが考えるそこにおります。すべてまことのひかりのなかに、いっしょにすんでいっしょにすすむ人々は、いつでもいっしょにいるのです。けれども、わたくしは、もう帰らなければなりません。お日様があまり遠くなりました。もずが飛び立ちます。では。ごきげんよう」
■このやりとりは宮澤賢治の原作どうり。そして原作にはない言葉をマリヴォロン=戸川純は口にする。
――芸術家とは、明日世界が滅ぶことが判っていても、夕にトマトの種を播く者のことです。――
■それはぼくの肺腑の琴線を非常な力で衝いた。決して声高に叫んだわけではなかったが、その言葉はぼくの胸を熱くした。二十世紀のどん詰まり、ぼくは「ですぺら」のまっただ中で「どうすればいいのか」と立ち止まっていた。ぼくは「合図」を待っていて、まさにマリヴォロンの台詞はスタートを告げる砲声の瞬間だった。立ち止まるのは絶望を知らぬからだ。絶望を友とし倦まず砂漠を歩み続ける者こそが、ツァラトストラの末裔たりうる。その時、マリヴォロンは戸川純であり、ぼくであり、「いっしょにすんでいっしょにすすむ人々」だった。演劇だけがなしうる秘蹟が起きたのだ。
■もちろん演劇を観るというのはとても個人的なことだから、誰もがぼくと同様な感慨を持つとは限らない。けれども戸川純がいた八十年代を真剣に生きた者は、戸川純が絶望の荒野(あらの)へ一歩を踏み出したことを理解したはずだし、二十一世紀の絶望を生きる準備をしている者は、マリヴォロンの言葉に共鳴したはずだ。
■そこには希望などない、行き着く先は楽園などではない、転げ落ちることを知っていながら丘の上に岩を押し上げるシジフォスのように、無為であると知りながら決して行為することをやめぬ人々。思えば無名のまま死んでいった宮澤賢治も、そのような「立ち止まらぬ者」であった。
■期待はしない、だが断固として支援する。カーテンコールに答える戸川純に、力いっぱい拍手を送りながら、ぼくは思った。
■ワイドショーのインタビューで嗚咽する戸川純。これが、これも彼女の「約束の地」なのか。再び「ですぺら」、「どうすればいいのか」?
2011年2月27日日曜日
2011年2月25日金曜日
水銀座 「断片」演劇公演@ボタニカ
水銀座 「断片」演劇公演
2月25日(金)
会場:ボタニカ
開場:19時
開演:19時半
料金:1500円
第一部-演奏
西村比呂行+AYAME鈴木大治+KONORI
第二部-演劇
1-雨宿り AYAME鈴木大治
2-青頭巾 芳澤純弥
3-抜魂箱 内村玉斎
4-ちいさなおじさん(ミニ) AYAME鈴木大治+芳澤純弥
2月25日(金)
会場:ボタニカ
開場:19時
開演:19時半
料金:1500円
第一部-演奏
西村比呂行+AYAME鈴木大治+KONORI
第二部-演劇
1-雨宿り AYAME鈴木大治
2-青頭巾 芳澤純弥
3-抜魂箱 内村玉斎
4-ちいさなおじさん(ミニ) AYAME鈴木大治+芳澤純弥
2011年1月22日土曜日
水銀座 「断片」演劇公演@ボタニカ
水銀座 「断片」演劇
2011年1月22日(土)
会場:ボタニカ3F共有スペース 静岡市葵区研屋町
料金:1500円
開場:19時 / 開演:19時半
第1部-音曲
西村比呂行(インプロヴィゼーション)
第2部-芝居
『大連医院 「銀の牙」断片』AYAME鈴木大治
『看護婦の手紙 2』鷹匠訓子
『大連医院 「銀の牙」断片』土門土門エ門
『青頭巾』芳澤純弥
2011年1月22日(土)
会場:ボタニカ3F共有スペース 静岡市葵区研屋町
料金:1500円
開場:19時 / 開演:19時半
第1部-音曲
西村比呂行(インプロヴィゼーション)
第2部-芝居
『大連医院 「銀の牙」断片』AYAME鈴木大治
『看護婦の手紙 2』鷹匠訓子
『大連医院 「銀の牙」断片』土門土門エ門
『青頭巾』芳澤純弥
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