2009年10月21日水曜日

J・G・バラード追悼 その3

SFマガジン11月号に訳出された『太陽からの知らせ』(1981)を読んだ。バラードワールド、フルスロットルである。吾輩の20世紀末がフラッシュ バックする。吾輩が砂漠にひきよせられるのはバラードの影響だったのか? タクラマカン砂漠とホドロフスキーの『エル・トポ』とプロヤスの『スピリッツ・ オブ・ジ・エア』が重なり合う。

過日、三歳半の娘と書店に行った。吾輩は「J・G・バラード追悼特集」のSFマガジンを求め、娘にはポケモン・キャラクター・トランプを買った。それからスターバックスに入り、娘はテーブルにトランプを広げ、吾輩は購入本を拾い読みした。

娘が吾輩のPCにかけより、19日の吾輩の日記を指さす。
トップにのせたSFマガジンの表紙、すなわちJ・G・バラードの写真を指さしてワーワー言うのである。三歳半の娘はバラードの顔を覚えた。

昔、「RE/SEARCH」のJ・G・バラード号を買った。いまも手元にある。吾輩はバロウズ本やディック本は手放さなかったが、どういうわけか バラード本はあっさりと売り払った。読むとそのまま古書店の店頭行きだった。『太陽の帝国』も『残虐行為展覧会』も『殺す』も『奇跡の大河』も『ヴァーミ リオン・サンズ』も『ハイライズ』も『コカインナイト』も創元SF文庫の名作群も、全部次々と。惜しいという気持ちにならなかったし、必要な時が来れば手 に入ると思っていた。だから「RE/SEARCH」だけが吾輩とバラードのつなぎ目である。

「RE/SEARCH」の表紙にはアナ・バラッドの写真が使われている。アナ・バラッドの写真集はペヨトル工房が刊行した。解説を浅田彰が書いている。吾輩は帯の惹句で買った。
《J・G・バラードの「終末の浜辺」、「近未来の神話」が、ここに息づく。映像は、未来の記憶と、原始の予感をうつしだす。》
『アナ・バラッド写真集』もたちまち古書店の書棚に納まったが、なぜかこの本は売れなかった。20年以上も。

「ANA BARRADO」でネットを検索したが公式サイトはないようだ。だがここで因縁力発動。「RE/SEARCH」のブログを発見したのである(笑)
http://www.researchpubs.com/Blog/
十数年前、アメリカの友人が、「RE/SEARCH」は身売りして「V/Search」になったと教えてくれた。たしかに「RE/SEARCH」の新しい号は発刊されず、「V/Search」社がバックナンバーを増刷しているだけのようだった。復活していたのか?

「RE/SEARCH」のBlogrollに懐かしい名を見つけた。「Ongaku Otaku」。これまた十数年前に、シカゴのアングラな(笑)カルトショップで購入した「Ongaku Otaku」は、日本のノイズ・アヴァンギャルド音楽を紹介するヘンな雑誌だった。
おそるおそるリンクを辿っていくと…、
http://www.charnel.com/ongaku/
あっはっは、あったあった、吾輩が買った号は創刊号だったのだな。

そういえば、どこへやったかな「Ongaku Otaku Issue #1」。
探すまでもなかった。吾輩の背後の棚に、「Re/Search No. 8/9: J. G. Ballard」と 『アナ・バラッド写真集』と「Ongaku Otaku」が揃っていた。

ああ、これは凄い。
News From The Sun(太陽からの知らせ)
http://www.jgballard.ca/pringle_news_from_the_sun/news_from_sun_jgb_news.html

「RE/SEARCH」のリンクをたどったら、UbuWebというところに辿り着いた。
サイト名の由来はジャリの『ユビュ王』と推測。
土方巽のフィルムを見つけて驚く。
http://www.ubu.com/film/tatsumi_summer.html

うわー、ここ、凄すぎ!
http://www.ubu.com/film/index.html

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